いきいき*せかんど~マニュアル活用訓練について~
2016-12-26更新
こんばんは。いきいき*せかんどの建石です。
今日は自立訓練で行っているマニュアル活用訓練についてお話します。
マニュアルを使う目的は、①手順通り正確に作業を行う、②段取り良く作業を進める、③仕事内容・環境が変わっても、正確に作業を行うです。その中で今、自立訓練のメンバーさんは高次脳機能障害を補う代償手段として「マニュアル」を活用できるように訓練しています。
「マニュアル」があることによって、記憶障害や注意障害、遂行機能障害などの症状を補うことができます。例えば、注意障害の場合、集中が続かず注意力が散漫になることがあり、『自分がどの工程まで行ったのか』が分からなくなってしまう可能性があります。そこで「マニュアル」を活用することで、手順に抜けなく且つ一度注意が逸れても正しい工程に戻ることができます。正確性の向上には欠かせない代償手段の一つです。
また、人によっては視覚的・聴覚的に捉えられた対象に注意が向けられてしまい、仕事・勉強・作業に集中ができない場合があります。動作が徐々に性急になり、途中で休むことや自ら開始した作業をやめることができない、周囲の状況をよく見て(目的に応じて)行動を変更することができないことなどがあります。これらは注意機能がうまく働かないことによって起こっていると考えられます。それにより、指示とは異なる作業を行いミスにつながる、指示を聞き漏らしてしまうことが予測されます。
そこで、一つひとつの作業毎に見直したり、周囲の人の様子を良く見たりしながら次の行動を考える時間として、一旦鉛筆を置いて「待つ」という一呼吸置く時間を作っています。また、それ以外にも「待つ」ことのメリットとして、①休息になる、②指示を一つひとつ理解する機会となる、なども考えられます。
この方法によって注意機能の向上を図り、そのことが仕事をする上での作業効率や社会適応につながることを目指しています。
作業の段階づけとしては、①スタッフが手順読み上げ、②ペアが手順読み上げ、③個人作業、④テストの流れで行ってきました。
訓練当初はスタッフの指示とは異なる行動をする、マニュアルを見ずに記憶に頼る、チェック漏れにより手順を飛ばすメンバーさんが散見されましたが、繰り返し取り組むことで徐々にできるようになってきました!!
次は、別の課題でもマニュアルを使って正確に作業できるか、環境の変化に対応できるか…挑戦ですね!!
目黒区高次脳機能障害者支援センター
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